1 見てきたようにモノを言い… (1999/11/26)

 書名は忘れてしまいましたが、何やら乗っているクルマでその人の性格が分かるらしい本というのを立ち読みしました。

冷静に考えれば、今さらそんなチンプな…とは思うけど、持ち物で何もかもブッタ切ってしまうというのは、僕は好きです。

血液型や星座なんかもそうです。

そんでもって、それを反復しているうちに本当にそんな性格になっちゃったりして。

とまれ、その本の中で特に気になったのは…

「フォルクスワーゲンゴルフは碑文谷あたりの奥様が買い物に使うセカンドカーなのだ」

 まあシャレに事の真偽はどうでもいいんだけど、正確に言えば碑文谷の本当の奥様連中はゴルフなんぞでダイエー碑文谷店にお買い物には行ったりなんかしません。

彼女らは「歩く」かチャリンコです。

なぜかというと、ダイエー碑文谷店の駐車場というのはとてつもなく広くて、ヘタすると自宅からダイエーへの距離の方が近かったりするのです。

よしんばダイエーの一番近くに止められたとしても、焼き鳥屋の前の交差点に行き着くまでにきっと日が暮れてしまうに違いないでしょう。

さらにもっと言えば「クルマで買い物する碑文谷の奥様」はダイエーなんかには行ったりしません。

彼女らは自由が丘の紀伊国屋か、都立大のクイーンズシェフ(路駐)を使います。

でもついでにもっと言ってしまえば、本当の奥様というのは、スーパーなんかに買い物に行ったりはしません。

ゴルフに乗ってダイエーに来るのはもっぱら他県ナンバーが多かったります。しかも見るからにファミリーユースなファーストカーです。

 僕はこの記事ひとつだけで結構楽しめましたが、一方ではこういうローカルな状況を地方の人が読んで、一体全体面 白いのだろうか?といつも不思議に思います。

さも日本の代表の話のように書かれてはいるけれど、碑文谷ダイエーってごく狭い地域でしか集客してないし。

おそらく、あなたの住んでる町のジャスコやイトーヨーカドーよりずっと狭い地域の人しか利用してません。

売り場面積もずっと小さい。 笑っちゃうのは、ダイエー碑文谷店って、カートは結構立派なの使ってるのに通 路の幅はカートがすれ違えないぐらい狭い。

 そもそもクルマ評論業界人っておしなべて「東京が一番進んでいる」と思い込んでいるフシがあります。

さもなくば箱根か軽井沢。だから青山とか表参道とかで起きている事は、時間差で全国に波及するものと決めてかかってるような感じがします。

だけど実際には都内23区はガイシャの台数が飛び抜けて多いだけで、自家用車事情は日本一遅れてます。

例えば、地方の人には信じられないかもしれないけど、東京は女性ドライバーというのが極端に少ない。

っていうか、そもそもクルマなんて「ダンナ(彼氏)の稼ぎの見せびらかし」程度。

昭和40年代の感覚。そういうのと箱根や東名を走るだけのインプレッションや分析だけで、一体、日本のクルマ事情の何が分かるというんでしょう。

 碑文谷の「都会の住宅風景」に似合う日本車は今のところ皆無。

最近の主流は、ボルボワゴン(しかも真っ赤)か、メルセデスのC(目黒はトヨタよりもメルセデスの方が多かったりする)。

ちなみにこの辺はアルファ率…というかラテン車率はとても低いです。

ちょっとだけ古いサンク(ルノー)なんかが停まってるとカッコイイ街なんですけどね。



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