キャンピングカーの種類

日本では「キャンピングカー」と呼ばれていますが、成り立ち的にはキャンプというより旅グルマ。RVとかモーターホーム、モーターキャラバンなどと呼ばれている種類のクルマのことを言います。で、そのキャンピングカーにもいろんな種類があります。北米で決まっているカテゴリーの呼び名を中心に、ここでは自走式モーターホームについて説明。

ClassA

自動車会社から、特殊車輌用に供給されるエンジン・フレーム・駆動系だけで構成される基本ユニットを使って、キャンピングカーメーカーが独自に作るキャンピングカー。シェル(居住部分)だけでなくキャビン(運転席)のレイアウトにもキャンピングカーのオリジナリティが出ます。ボデイは多くの場合、シャシの上に組んだスペースフレームにFRPやベニヤ、ウレタンなどの断熱性の高い素材を組んで作られています。

まさしく「住むためのクルマ」です。サイズはとにかく大きく、日本に輸入されている最小サイズのものでも全長8m、全幅2.4m以上はあります。が、アメリカではこの程度のサイズは「ミニ」とか「ナロー」と呼ばれていて、多くは日本で走れないサイズ(日本では全長12m、全幅2.5mを超える自動車は道路を走れない事になっています)のモーターホームが主流になっています。それでも足りなくて、パーキング時に横にせり出したりするものもあります。中には5000万円を超えるような超豪華なモーターホームも存在します。特に豪華なのはヨーロッパメーカー製のもので、クルーザーやヨットなどと同じ扱いがされるものもあります。
日本では自動車の製造登録が難しい&コストが見合わないため、このClassAを作る会社はほとんどありませんが、その代わりマイクロバスなどを改造した「バスコンバージョン(バスコン)」というカテゴリーがあります。厳密に言えばClassAとは全然違うのですが、居住性やサイズ、取り回しの点ではよく似ています。

ITASCA HORIZON(米)

 

ClassB

自動車会社から売られているフルサイズバンのボディをそのまま使ったり、ルーフ部分や横幅を拡張したり、小規模な改造だけに留めてキャンピング仕様に改造したクルマを指します。特に商用バンを改造したものが多く、アメリカ、カナダではGMシェビーバンやクライスラーダッジラム、フォードエコノラインなどのフルサイズバン(ミニバンではない)を使います。ヨーロッパではメルセデス313が多く使われるようです。

全長は最大6m前後、全幅は2m前後です。乗用車としての機能を最も多く残しているので、取り回しも走行性もいいのですが、半面 、室内が狭く、またスチールボディや窓が多かったりするせいで、断熱が悪く居住性に問題が多いとも言われています。ただし断熱性については屋根がFRPになるだけでも相当変わります。どちらかと言えば長距離ツーリングや短期間の旅行といったような、自動車旅行をより快適にするために最低限のモーターホーム機能を備えたクルマが主流ですが、一時期はサイズはクラスBでも装備はClassC並みの物を目指した…というようなかなり本格的なクルマもありました。

カナダではこのClassBが主流で、日本ではClassBそのものの人気は薄いと言われてはいますが、根強いファンは結構多いようです。僕自身、日本で走る旅グルマとしては、このアメリカンフルサイズバンはジャストサイズだと思います。半面、狭い街路などでは取り回しの面 で弱点があります。その点、国産のワンボックス車やミニバンの内装をDIYで変えたりする「バンコンバージョン(バンコン)」はこの取り回しの弱点がないため広く親しまれています。いわゆる「バン」を改造して寝泊まりできるようにするという改造は、自動車旅行をするという目的からすれば、かなりシンプルで理に適ったスタイルではないかと思います。一頃流行った「バニング」とこのClassBあるいはバンコンの間には、その黎明期の部分において、浅からぬ 縁もあるようです。
ところで救急車は日本では架台的にはClassBといえるでしょう。

 

ClassC

自動車会社から、貨物車、キャンピング車、特殊車輌用に供給されているキャブ(運転席)付きのシャシーを使い、キャンピングメーカーがシェル(居住部分)を独自に取り付けたキャンピングカーを指します。ベース車はアメリカではフォードエコノラインE350が最もポピュラー、ヨーロッパではメルセデス316、フィアットデュカト、日本ではトヨタがキャンピング車専用キャブとしてカムロード、三菱はキャンター救急車用などが有名です。

我々が普段「キャンピングカー」と言った場合にすぐに連想するのがこのタイプで、ボディはクラスA同様シャシの上に組んだスペースフレームにFRPやベニヤ、ウレタンなどの断熱性の高い素材を組んで作られています。中にはボートのようなFRPだけのシェルのものもあります。断熱性が高く、方形の箱がシェルになり想像以上に室内が広くとれるため、小さいものは全長5m以下のコンパクトなサイズから、大きなものは9mを超えるものまで様々なタイプがあります。ただ、その形状から走行性能が犠牲になっているものも多く、空気抵抗、特に横風に弱いクルマも少なくありません。それでも居住性の高さは何にも代え難く、日本で一番人気の高いカテゴリーです。F1やFニッポンなど、レーシングスタッフが長期間のロードに使用しているのも、トレーラーの他にこういったClassCも多いようです。北米でポピュラーなClassCの殆どの車種は横幅が日本の法規では道路を走れないほど広いクルマばかりです。それでもClassCは「ミニモーターホーム」だそうで、これでも「小さい」と言いたいようです。

日本では1.5t〜2tクラスのライトトラックをベースにするため、Tボディとか「キャブコンバージョン(キャブコン)」というカテゴリー名で呼ばれています。エコノラインも元々は商用車や特装車(消防車や救急車)用に作られていますが、その乗り味はまるでトラックとは異質の、船に乗っているようなソフトなフィーリングを持っています。操作系も軽く、アメリカ流の疲れないための工夫があちこちに見受けられます。
アメリカの救急車は架台的にこの
ClassCに属します。

 

バスコンバージョン(バスコン)

ここからは日本の規格による種類です。JRVA(日本RV協会)が分類する名称です。
バスコンバージョン(バスコン)は文字通り、バスを使ってその内装をモーターホームにしたもの。自作派に人気なのがこのバスコンです。それというのも、元々バスなので乗り心地や走行安定性も高く、車体が元から四角い箱型なので、手軽に効率的なキャンピングカーを作れるという利点があるからです。ただ、短所もかなりあって、車体が元々高価なことや、鉄ボディ、大窓、多窓のため断熱性に乏しく、FRPシェルなどのクルマに比べて居住性を確保するのが難しいなど、案外苦労する事も多いようです。コーチビルダーが制作販売しているものは、マイクロバスや小型バスを利用したものが主流ですが、自作派の人たちの中には、フルサイズ(2.5m×12m)の観光バスをベースにしている人もいます。ここまで来るとアメリカンClassAも顔負けですね。問題は駐車場ですが。

 

キャブコンバージョン(キャブコン/トラックボディ)

日本で最もポピュラーなカタチのキャンピングカーが、キャブコンバージョン(キャブコン)です。カムロードやキャンター、エルフなどライトトラックを改造することが多いため、トラックボディー(Tボディー)という言い方をする人もいます。アメリカのClassCと同じ工法で作られています。主に日本車ベースなのがキャブコンで、アメ車やヨーロッパ車をベースにしてものがClassCと覚えても間違いではないでしょう(ヨーロッパではさらに別のカテゴリー分けで呼ばれています)。キャブコンの主流は1t〜2tクラスのライトトラックを使ったものですが、この事による最大のメリットは、なんといっても最小のサイズで最大の居住スペースを確保できるという点でしょう。幅2m、長さ5mのクラスでも、アメリカンClassCの21ft(長さ6.3〜6.5m)車に匹敵するほどのユーティリティを持つクルマが多く存在します。もちろん広々とした感覚には劣りますが、ベース車の燃費の良さや丈夫さなどと相まって、合理性重視という点では、このキャブコンに勝るものはないのではないかと思います。ただし短所もあります。エンジンパワーに対して重量が重くなりがちという点です。ゆっくり走るクルマですから、それほど強大なパワーは必要ありませんが、高速道路など、時としてアンダーパワーがドライバーにとっては極度の緊張を強いられる状態というものが存在するのも確かです。また、ディーゼルエンジンやオーバーキャブ(運転席が前輪の真上か前方にある)のため、エンジンの発熱や振動対策が難しい構造のクルマもあります。ただし最近ではその改善策として、ピックアップトラックやSUV、ガソリンエンジン車、グランドハイエースなどの乗用バンをベースに作るなど、バリエーションが広がってきて、急激にそのクオリティが上がってきているとも言われています。

 

バンコンバージョン(バンコン)

アメリカで言うところのClassBに相当するカテゴリーですが、普段「バンコン」と言った場合にはもう少し小さいクルマを使ったものを指すのが普通です。日本製やヨーロッパ製のワンボックス車や、最近ではミニバンやキャブワゴンをベースにしたバンコンがたくさん走っています。外装は基本的にそのままで、ルーフを高くしたり内装にキャンピング装備を施します。小回りが効くので普通 のクルマから乗り換えても全く違和感がないし、これ1台で通勤にもキャンプにも使えるという、オールマイティな魅力を持ったカテゴリーです。バンコンと言えばなんと言っても、ドイツのウェストファリアが有名です。古くはVW Type2(ワーゲンバス)を改造して作られたキャンピングカーは、無駄なところのない、自動車としてもキャンピングツールとしてもかなり考えられた装備を持っています。VWバナゴンの車内に家族4人で寝泊まりしても十分くつろげるというのは脅威です。日本でベース車で最も人気が高いのはなんと言ってもトヨタのハイエースでしょう。バンコンの短所は、アメリカンClassBと同様、やはり決定的に室内が狭いという点と、断熱の問題も付いて回ります。けれども最小限の装備で身軽にどこへでも行けるアドバンテージは、日本の交通事情や観光設備の充実ぶりを考えれば、欠点を補ってあまりあるものだと思います。1000万円で自立型のモーターホームを買ってビバーグするか、400万円のバンコンを買って温泉を巡り、たまには旅館やレストランで贅沢をするかというような、ちょっと視点を変えたコストパフォーマンスに思いめぐらせることができるのも、日本ならではの話かもしれません。特に1〜2人で気ままに旅をするというスタイルに向いているのではないでしょうか。

 


 



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