犬は、犬種によって性格も行動様式も訓練の資質も、これが同じ犬かと思うほど全く違います。ミックス犬（雑種）でも、元になっている犬種の性格が出ます。例えばシベリアンハスキーの典型的な素質は

• 明るい
• 犬にも人にも友好的
• 他の動物に非友好的
• 飼い主と一定の距離を保つ
• 呼びが効きづらい
• 引き綱を引っ張るのが得意
• 毎日相当な量の運動が必要
• 暑さに極端に弱い

　実際にはこれに個体差や性別、環境の違いといった要素が加わりますが、おおまかに言えばどんなハスキーも多かれ少なかれ持っている素質です。特に「引っ張る」という素質は伸ばそうと思えばどこまでも伸ばすことができます。だからそり犬として発達してきたわけです。別 にそりでなくても、自転車やコンダラでもいいです。特に自転車による引き運動の際のマナーは、他の犬種には決して見られないエレガントさを持っています。でも逆にもしこの素質を伸ばしてやることができない環境だとしたらどうでしょう。自転車にも乗らず、散歩の時間もあまりとれないとしたら、ハスキーを選ぶ事はその後の不幸を選ぶことと同じです。十分な引き運動もなしに、飼い主の都合だけで 「アトヘ」なんて本の通りにやろうとしても永遠にできません。
　またハスキーは、犬らしい従順さに欠けるところがあります。「主従」ということの意味が、他の犬種とだいぶニュアンスが違うのです。その代わり、気のいい相棒、仲間として接すれば相当にいい関係になる素質があります。

　犬と幸せに暮らすには、まず自分のライフスタイルや価値観に犬種の素質を照らし合わせてみるとか、犬種による素質をあらかじめ調べておく必要があります。そうすれば衝動飼いも自ずと防ぐし、いい関係を犬と結ぶことができます。