しつけの本や飼育書にはだいたい以下のような事が書いてあります。
- アイコンタクト。
- 食事は飼い主が先にとり、食べ終わってから犬に給餌する。
- 人間が決めた時間に食餌をさせる。残したらすぐに引き上げる。
- 部屋を歩くとき、進路に犬がいたら人間が避けず、犬に避けさせる。
- 身体のどんな部分でも触らせるようにならす。
- マズルコントロール。
- 玩具は犬に与えっぱなしにせず、遊んだら最後は人間が取り上げて収納する。
- 撫でたい時は、自分から犬に近づいてはいけない。必ず呼びつけて撫でる。
- ベッドや布団で一緒に寝ない。
- なるべく椅子やソファでくつろぐ。犬の目線が常に人間より下にあるよう保つ。当然、ソファには犬はなるべくあげない。
- 「フセ」を習慣づける。
- 同じ場面で叱ったり叱らなかったり…ということがないよう、一貫性に気を付ける。
などなど。これらの中には確かに大切な項目がいくつかあります。僕も実行している事があります。
でも機械的にやったとしても、飼い主が即、犬にとってのリーダー(アルファ)になれるかどうか・・・。
これらは実は、あくまでも結果であって、 決して結果を得るための方法じゃないのです。例えば1、5、6などは、リーダーになって初めて可能なのであって、リーダーになろうとしてやってもできません。
この中で、主従を作り上げようとするしないに関わらず、実行した方がいいのは、3、7、10、12です。逆に2、4、9は、主従を作る段階では確かにかなり有効です。ただ強固な主従関係(+信頼関係)ができていれば、さほど神経質になる必要はありませんので、段々柔軟な発想に変えていくと、かえって面
白い関係が作れるかも知れません。
主従関係ができていても可能とは限らないのは、5と11。犬の育った境遇や性格によります。また犬の労働の種類や犬種によっても常に望ましいとは限らないかもしれません。信頼関係が作れれば確かに我慢して従いますが、中にはその我慢がストレスになってしまう犬もいますので、仮にできなかったとしても焦らず、おおらかに接してあげてください。
本によってはリーダーになる方法を、犬の群れ社会と直結して書いているものもありますが、全部が全部犬社会と重なるとは限りません。同レベルで争っても犬の信頼は勝ち取れません。例えばカーミングシグナルというのがありますが、これはあくまでも知識やレクリエーションとして覚えておく類のものであって、実際にしつけや訓練に組み入れても、それで主従関係を構築することはできません。カーミングシグナルとはあくまでも犬の感情を理解するためのものであって、実際には人間は人間らしく、犬は犬らしく振る舞うのが一番です。
では具体的にオーナーが愛犬のリーダーになるためには何が必要なのでしょうか?
2001/05/02(11/03一部修正加筆)
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