6:アルファを選択する-その1(1997/11/14)

 これまでのクルマ遍歴の中で「アルファを持ちたい」という強い希望はずっと消えずにありましたけれど、当時のイタ車のスタンダードから察して、中古は経済的に維持できないだろうという予測と、新車はちょうど75と164以外の選択肢しかない頃とも重なり、購入候補からは外れていました。そしてなにより「自分がアルファに乗ってもいい」という時期をずっと考え続けていました。それだけ僕にとってのアルファは特別な存在でした。

 そうして1〜2年でクルマ遍歴を重ねてきた自分が「クルマ趣味は少し休もう」という事で、随分長く乗った感のあるゴルフIIが、ミッションや電気周りのトラブルが重なるようになって手放す事を考えたのが'94年の冬でした。犬を飼っている事もあって、初めは「ボルボのワゴンかなあ」と思ったりもしましたが、そもそも1.5t、2000cc、全長1.8mを超えるクルマが元々あまり好きでないので、すぐに選択肢から消えました。なにより「クルマ」以外の選択肢でクルマを選択するのは、今回はやめようと思ってもいました。

 半年ほど経って「そろそろアルファでもいいんじゃないか?」と思い始めました。そこである日、近所のアレーゼに155を見に行きました。
 ちょうどマイナーチェンジ直後で、155の弱点だった剛性が格段に進歩したというので、真剣に購入を考えていました。
 旧155は剛性不足だと巷では盛んに言われ、査定にまで響いてると言われます。ただ、限界走行なら話は分かりますが、日常使用においてアルファの剛性不足とコーナリングのバランスを、どれだけ具体的に体感してそう言っているのか僕には分かりません。もしそれが段差を超えた時などのハーシュネスや遮音のレベルの事を指すのであれば、イタ車はおしなべて「剛性不足」と表現せざるを得ないでしょう。評論家の評論ほどあやしいものはありません。彼等の言うことをまともに聞いていたら、ベンツとポルシェ以外はガレージに入ってはいけないんじゃないか?という気にさせられる事がしばしばです。

 結果は(155ファンの方にはとても申し分けないのですが)残念ながら試乗するところまですら行かずに候補から外れてしまいました。ハンドリングやフィーリングは良くなっているに違いない、手にとるように想像できました。同時に、なぜ155が本国で人気がないのか、その時初めてその理由が分かりました。もちろん155はいいクルマです。逆にそれが僕の熱を覚ましてしまう原因になってしまいました。要するに、155は目に見える部分や数字の上であまりに良く出来すぎていたのです。



7に続く