結果から先に言えば、手放すことにしたのです。こう書くとかなり唐突ですが、その結論に至るまで、僕はとうとう滅多に壊れたことのない胃まで壊すハメになりました。
　「なんでぇクルマごときに」と思うかもしれません。自分でも全くそう思います。　
...と、数年前までなら人様の事を言えた僕も、なんだか知らないうちにパンドラの箱を開けてしまった様です。
　クルマや単車に乗るのが当り前のように過ごし、気軽にクルマ遍歴を重ねてきた僕もさすがに今回ばかりは参りました。実用にならない、復活の見込みが薄いクルマを合理的に処理できないというのは、要するに「未練たらたら」な訳です。
「クルマごとき」のために何も手につかなくなるというのは実に初めての経験です。新鮮といえば新鮮でしたけど。

　ともあれ決心するきっかけになったのは、一台の75TSでした。 75TS購入までの枝葉末節は省略しましょう。僕はとうとうグリーンメタリックの75TSを手に入れることになったのです。少し無理すれば、Alfettaは冬眠させることもできたのですが、今、僕にはレストア趣味をやっている時間も納得の行くような十分な資金も用意できそうにありません。その分のエネルギーを仕事に傾けて、数年後にまた乗りたいアルファを増やして行けばいいことです。