ぐうたら犬と暮らそう

訓練のルール
  1.  トリーツ(ご褒美のジャーキーなど)は原則として使わない方がいいと思います。
      ジャーキー式の訓練は、直接的に何かの行為をさせる(芸やポーズなど)の「一番最初の動機付け」や「結果 出し」には短時間で到達できますが、ノーリードによるコントロールのように犬の行動をコントロールするために犬の自主性や考える力を引き出してやらなければならない訓練の場合、訓練が進むに連れてかえって支障を来す場合があります。愛犬が賢ければ賢いほど、ジャーキーへの執着と人間のコントロールとの因果 関係から犬を解放するのは並大抵の努力ではありません。
      ゴルビーはジャーキー式で様々なコマンドを覚えました。が、考える力を持つようになると先にも書いたように「訓練」の時には全てを完璧にこなしても、実生活ではまるっきり役に立たないというような事態が起こりました。犬は人間と生活している時、必ず「場面 」を見て自分の行為を判断しています。つまり、彼にはコマンドというのは訓練という状況とトリーツがあって初めて動機が引き出されるものだったわけです。(最悪、言うことを聞かせるためにトリーツをちらつかせても、見向きもしない…というような矛盾した出来事さえ起きる)この悪癖を絶つのに長いこと苦労しました。

      ただ例外として、スワレとマテだけは、食餌と一緒に覚えた方が早く定着しますのでそうします。
      この2つは使う頻度が非常に多く、場面 も多岐に渡るので、犬がすぐに自主的にトリーツとの因果関係を断ち切って、状況判断によってコマンドを覚えます。 彼らにとっては、座る事と待つこと(+アイコンタクト)は、最も簡単にできる意思表示なのかもしれません。時には面 白くない事があると、怒って抗議するかのように、乱暴に座って鼻をフンっと鳴らす(人間は何もコマンドしていない)というような事さえあります。

  2. 特殊な器具は使っていません。面倒だから。直球勝負。
      チョークチェーンやジェントルリーダ、マズルカバーなど、効果 的な事は認めますが、実はこういうものは、人間との信頼関係がかなり強固な状態で使わないと、いざ取り去った時に苦労することがあります。つまり「使うなら一生使え」ということです。もっとも、信頼関係が強固ならば、こういう器具に頼らなくても、最低限のリードとカラーだけで十分間に合う訳です。
      他にいわゆる「天罰グッズ」というのもありますが、これは完璧な「中庸」の子にしか使えません。シャイな子、警戒心が非常に強い子は、実生活で大きな物音がした時にパニックを誘発するきっかけになりやすいので要注意。逆に賢い子には、こんなものあっという間に見破ります。鈍感だったり肝っ玉 がすわってる子には、天罰の存在すら気づかないで、飼い主が脱力します。。。とにかく面 倒この上なし。
    多少時間がかかっても、犬に考えさせながらやっていきます。この「考えさせる」という件についてはまた後述。


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