生後6ヶ月以前(なるべく独立心が芽生える前)に、ノーリード・サイレントエリアでのスワレ、マテ、フセ、ツケ、コイ(Sit,
Stay, Down, Heel, Come)の基本訓練を定着させます。
- スワレとマテは全ての訓練の基本になる。逆に言うとスワレとマテができないうちは玄関から一歩も出せないし、出すべきではない。そしてどんな場合でもこの二つは完全にできる事が必要。
ネリが我が家に来たのが4ヶ月齢ということもあって、迎え入れてから真っ先に急いで入れる必要があった。集中的に一週間で完全な定着を目指す。
訓練法によっては「マテ」は必要のないコマンドとされている場合もある。その辺は実生活でどう使うか、どのぐらいコントロールできるかによって違う。でも、実感としては覚えて得する方が多い。犬とのやりとりが硬直化しなくて済むからだ。
というのは、いろんな訓練をしてゆくうちに、スワレをそのうち犬の方で勝手にバイパスできるような場面
が多くなる(例えばツケを覚えさせるとき、ゆくゆくは必ず「スワレ」のコマンドがなくても、人間が立ち止まったら犬は勝手に座らなければならなくなる)、犬が勝手に座った時、その姿勢で待たせておき、自分だけ遠くに離れるときには「マテ」を言い、すぐについてきて欲しい時は言わない。この状態で初めてツケは完成する。こういう、長年の犬とリーダーとのニュアンスでいろんな場面
でバイパスが出てくる。マテがないとスワレはバイパスできないのだ。そういう意味では「マテ」は犬をロボットのような指示待ち犬にしないために、敢えて下すコマンドであると言える。要は、覚えさせても外すのも定着させるのも容易なのだから、覚えた方がいいということ。後は各自アレンジすればいいと思う。
- フセを入れる。
普段の生活では必要性は低いものの、フセを抵抗なくできる犬だという事が分かれば、なるべく早く確実にものにしておくに越した事はない。
- ツケを入れる。
ここではまず、人間の左側について座るという動作を定着させる。その後、歩行訓練でツケはバリエーションが出てくる。マテの時にも書いたが、ツケとは「付いて座る(ヒール)」「付いて歩く」の両方を意味する。つまり「リーダーについている状態、離れてない状態」がツケ。これは賛否両論あるかもしれないが、家庭犬の場合は心理的に付いている状態が、姿勢として付いている事より大事なので敢えてこのコマンドひとつで間に合わせてしまおうという考え。距離の基本は「ヒール」だけれど、それが若干離れてしまっても「気持が離れない」事の方が大事。
- コイを入れる。
コイは実はマテがきちんとできてから入れないと後々面
倒な事になるかも知れない。そもそも子犬の場合、すぐにというか、本能的に「コイ」は覚えられる。けれどもそのうちこの「コイ」は単体では効かなくなる。だから「マテ」と「スワレ」がしっかりとセットできる必要がある。コイはこれの付属品ぐらいに考えておいた方がいい。この「コイ」が力を発揮するのは、むしろノーリードでのツケが定着し始めてからだ。
- 以上のバリエーションを組み合わせて訓練する。
- 「スワレ」から人間離れて再度近づく。
- 「スワレ」から人間離れて「フセ」、その後再度近づく。
- 「スワレ」から「フセ」で人間離れて再度近づく。
- 「マテ」から人間離れて「コイ」で来させる。
- 「マテ」から人間離れて「ツケ」でヒール。
- 「スワレ」から「フセ」で人間離れて「コイ」で来させる。
- 「スワレ」から「フセ」で人間離れて「ツケ」でヒール。e.t.c.e.t.c.
ありとあらゆるバリエーションを考えて、この5つの訓練を毎日全ての生活場面
に当てはめて訓練します。
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