ぐうたら犬と暮らそう

参考:日本の犬文化

 もし日本犬の歴史を正確に見るなら、番犬の歴史と重ね合わせるのはあまり適当ではないように思います。元々の日本犬の由来は、例外なく「狩猟犬」です。それも、ヨーロッパの多くのハウンドの様に群れで狩りに参加するのではなく、少数あるいは単独で人間のサポートをするタイプの、どちらかと言えばガンドッグに近い存在だったようです。ということは、農耕民族の割合が多い日本では「犬との暮らし」というもの自体がピンと来ない話なのかもしれません。古来、犬といえば、犬追物やマタギ、あるいはアイヌといった騎馬系や狩猟系のイメージが真っ先に来るというのもその辺に理由がありそうです。しかし一方ではこんな考え方もできるかもしれません。つまり「犬=疑似家族」と見てしまう目を持っている人が多いという事は「コンパニオンドッグ(役に立たない犬)を飼う習慣が、日本には大昔からあった可能性がある」。
いずれにしても、もしそういう文化が我々の遺伝子の中に残っているとすれば、犬をどう見ているかで自分の先祖がどういう暮らし方をしていたのか分かるかもしれませんね。

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