散歩の催促が早まってゆく原因として、食餌と用便のサイクルの他に、外飼いでこの傾向が強くなります。外飼いの場合、夕食後のだんらんに犬が参加しないため、就寝時間が人間より大幅に早くなります。就寝時間が早くなる分、起床時間も早まるという訳です。そしてさらに、散歩の催促をして吠えたり、鼻を鳴らしたりという犬のシグナルに対して、人間が「近所迷惑」を理由に過敏に反応してしまった様な場合、犬の生理欲求への我慢がよりできなくなる傾向がより強くなります。 この早朝の催促は、無駄吠えの原因としてはトップ3には入りますので、なんとかやめさせる必要があります。ただし、よく言われるような「吠えても無視する」というような方法は、相当に月齢の若い子犬か、犬種を選ぶ方法で、例えば元々良く吠える犬種や、無駄 吠えが既に定着してしまった様な犬には通用しない事の方が多いので注意が必要です。 だいたい、無駄吠えを何時間も続けるようでは、近所迷惑もさることながら、人間の方が精神的に参ってしまいますから、「一日で」効果 を出す方法でなければ意味がないのです。 早朝の無駄吠えを止めるためには、食餌や就寝時間を見直すと共に、積極的に叱るという方法を採った方が、効果 が早期に現れます。犬はリーダーから叱られる事を嫌がります。ただし、飼い主の姿が見えてはいけません。吠えはじめた瞬間を捉えて「うるさいっ!」と、ベッドの中から、犬に聞こえるように叱ります。そうすると、たいていそれで数分は黙ります。叱られなれてない犬でも、声に対する反応、つまり人間の次の動作に聞き耳を立てるために、数十秒は静かになります。そして、ある一定の決まった時間になれば必ず飼い主が現れて、トイレに連れて行ってくれるということを覚えさせます。これを根気よく続けてください。といっても、2-3日、長くても1週間もすれば治ると思います。 一度でも催促の吠えで飼い主が犬の目の前に現れた事がある、あるいは何らかの欲求を満たしてあげたことがある場合はしばらく日数がかかるかもしれません。でも無視して近所迷惑に気を揉む方法よりはずっと早く解決します。 この方法でも催促の無駄吠えが止まらない場合、あるいはかえって吠えが激しくなるような場合は、飼い主と犬の主従、あるいはポジションを疑ってみた方がいいかもしれません。もっともその場合「無視」「叱り」のどちらも効きませんし、しつけ上の問題を他にもいくつも抱えているはずです。ですからもし悩みが続くようでしたら、主従の回復を最優先課題にしてください。 |
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