38:Alfettaと75と...(2)(1998/03/31)

高速走行

 その国のクルマ作りに対する考え方を如実に体感できるのは何といっても高速道路でしょう。ドイツ車、フランス車、イタリア車、そのどれもが、100km/hを超える速度ではとても個性的なフィーリングです。ドイツ車ははっきり言うと日本の高速道路の形状や制限速度ではその実力の半分も出さずに終わってしまいます。せめて140km/hは出さないと音もうるさいし、100km/h程度ではアクセルワークがなんとなく定まらず、「クルージング」という感じがしません。また加減速が激しい道路状況では、クルマによってはかなりストレスを感じる事があります。フランス車はどちらかというと日本車の雰囲気に似ていて、100km/h前後でも十分クルージングできますが、クルマによってはやはり120km/hぐらいは超えないと足周りの素晴しさを味わう事はできないかも知れません。アルファの場合、直進性はそこそこですが、日本の高速道路にはかなり合っていると思います。カーブが多くても加減速が激しくても十分クルージングのリズムは取れますし、またそれが心地良い位です。ただ、おしなべてヨーロッパ車に言えるのはやはり100km/h前後の速度では「走っている気がしない」という事です。
 そういった感覚的な違いの大きな原因となっているのは、凹凸を超えた時やステアリングを切った時のサスの減衰力、セルフセンタリングだと思います。

1)ドイツ車やアルファ以外のイタ車
 サスが忙しく上下して車体にその挙動が殆ど伝わらない。結果的にクルマは水平移動している様な感じになる。センターへの収束度は強い

2)フランス車とアルファロメオ
 サスは大きめにストロークし、短いタイムラグがあって車体全体に垂直運動が緩やかに伝わる。センターへの収束度の強弱はメーカーによって異なるが、最近の傾向では緩やか。

3)日本車

 4輪がそれぞれ仕事をして、車体はその上下を別々に拾う。センターへの収束度は車種によって千差万別だが、平均してあまり強くない。

 Alfettaと75TSを比べると、もう明らかに時代の差というものもありますが、高速でのフィーリングは全く違います。Alfettaは1974年当時の設計でも200km/h近く出せるというヨーロッパツアラーの標準的な性能は持っていますが、だいたい140km/hあたりが実用速度域と考えていいでしょう。それ以上でも別にクルマの挙動には何の不安もありませんが、同乗者にとってはサスの仕事の感触が分かる様になり、Aピラーの細さも相まって、恐怖心が芽生えてくる様です。ドライバーにとっては何の問題もないのですが。
 75TSはそれよりは若干高めで、ドイツ車的な安心感がかなり高速まで持続するようです。ただ、首都高などのコーナーでは逆に100km/h程度でも視界の高さからか、ロール感がシートのホールドの不足と共にかなりきつく感じられる様です。これもドライバーには感じません。どちらにしても高速コーナーでの安定性は抜群で、特に75TSの場合は、路面さえ当り前ならば決して「そのクルマ特有のクセ」の様なものを現わす様な事はありません。
 実はこの「クセがない」という事がもっともアルファにとっては重要な点なのです。僕はこの事を勝手に「アルファイズム」と名付けることにしたのでした。



39に続く