41:車体が傾いている!(1)(1998/04/29)


 クルマが納車されると、僕はすぐに、自分で決めたメニューに従ってクルマの走行テストをすることにしています。特に中古車と呼ばれるクルマばかりを買う様になってからは念入りに、アルファに乗るようになってからは、整備や修理の度にしています。自分で決めたメニューというのは、自分が気になる部分を重点的にするわけで、気にならない部分は、仮にそれが重大であってもチェックに入らないものもあるので、一概に意味のあることかどうかは疑問です。まあ、半分以上は「楽しみ」のためにやっているのと、自分とクルマの調教に近いのかもしれません。

 チェックを始めてすぐに気が付いたのは、ブレーキフルードが3日ぐらいで半分に減ってしまう事と、速度を上げるにつれてステアリングセンターがずれて行くというものでした。
 ブレーキフルードの方は、最初、時々ブレーキ警告灯が点滅していたのですが、75のブレーキ警告灯は「アルファロメオモニター」と呼ばれる、マイコンモニターに含まれています。このアルファロメオモニターなるもの、今では何てことのない集中モニターと同じですが、当時はどうやら最先端の部類に入るものらしく、しょっちゅう誤表示するらしいと聞いていましたから「どうせ壊れているんだろう」と思っていました。念のためエンジンルームを覗いてみると、ブレーキフルードは十分適正レベルにあります。ところがそれから3日もすると、警告表示が点滅から点灯に変わっていました。再度ブレーキフルードをチェックすると、いつまにか液量がLowレベルギリギリに。このモニターのセンサ、かなり感知レベルがシビアな様です。結局、原因はマスターシリンダーのシール漏れという事で、部品交換で完治しました。

 問題は、ステアリングセンターの方でした。元々ヨーロッパ車の左ハンダーは、マニュアル通りにアライメントを設定すると、クルマが左に寄って行く癖があることは知っていました。そのため試乗でその辺を流している時には気になりませんでした。ところがいざ納車されて、80km/h、100km/hと速度を上げて行くうちに、どんどん左に引っ張られる事に気付きました。しかも、どんな道でも自分の姿勢が決まらず、なんとなく左に身体を傾けて運転している様な感じです。「これはまずい」と直観的に察した僕は、少し広めの駐車場に入れ、クルマを正面から見てみました。
 
「あっ!、クルマが傾いてる!」

 すかさず携帯でショップに連絡、ショップの人に運転してもらったところ、確かに標準状態ではないという事が判明。これが最初の入院です。



42に続く