Coachmen VanCamper 19'RD(1990) の室内を見てみる(2)

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運転席



古めかしい運転席。僕はこのスタイルが大好きです。
このタイプのエコノラインは基本設計が1977年頃で、そのまんまの形で13年も作ってしまったという、なんともレトロなクルマ。
シンプル過ぎるほどシンプルなインパネ1970年代独特のいかにもはしらなそーな雰囲気の角形メーターナセル(そういえばAlfetta gtvもそうでした)、折れそうなコラムシフトレバー、人間工学なんて学問ができる以前にできたような超絶使いづらいワイパースイッチ(左上端のツマミがそうです。この時代、日本車などはトグルスイッチが使われてますが、コレはプッシュ&スライド)、これもほとんど意味の分からない配置の なぜか左足で操作するハイビーム、後付が基本の時代のパワーウィンドウスイッチ、これはデフォルトのオートクルーズ(ステアリングに左右で銀色に光っているのがそれ) そして真ん中にはブルーに燦然と輝くFordのエンブレム。もう自動車っていうよりトラクター。でもどことなく軽飛行機モドキも感じる。などなどぜーんぶ好きなスタイルです。しかしなんと言っても感心するのは、トラクターをここまで真面目に、ソフトに作ってしまうFordという会社のニオイ。ダッジラムやシェビーバンって、あくまでも乗用車テイストなんですが、コイツは本当にトラクターのニオイ。でもハンドルはすごく軽い。

ステアリングの表面プリントによるニセ木目も時代を感じさせますね。
ちなみにダッシュボードの木目は本物です。といっても、後付のオプションみたいなの。で、どことなく手作りっぽい。それをダッシュボードに直にタッピングビスで止めてあるという、豪快な代物。これを外すとステアリングの木目プリントとお揃いの模様が出てきます。アメリカ人ってホント、木目が好きですよね。

ステアリングの径や角度は普通のクルマと変わりません。この手の大きさになると、日本車だとたいていトラックのフィーリングですが、エコノライン(このクルマのベース車の名前)はそういうのははみじんもありません。もちろんどんな時でも片手の手のひらで回せます。

それから、日本車と欧米車、特に商用車で一番違いが出るのが、ステアリングの素材。日本は湿気が多いせいか、ステアリングの素材に割とドライでハードなプラスチック素材を使います。ヨーロッパ車は逆にソフトでウェット。中には劣化を覚悟の上で、いまだにラバーを使うクルマさえあります。このエコノラインもかなりソフトでウェット。するする滑らないし弾力性があって、握りはとてもいいのですが、すぐベタベタします。どっちがいいかは好みの分かれるところですが、僕はこのソフトでウェットな感じのステアリングが大好きです。アルファでもゴルフでもシトロエンでもそうでしたが「買ったらまずステアリングを交換」なんて発想自体が沸いてきません。というか純正ステアリングがダメなクルマはハナから興味ない主義。

 

で、これが助手席側


僕は左ハンドル車歴の方が長くなってしまったため、こういう風景は全然違和感がなくなってしまいましたが、右ハンドルに慣れ親しんだカミさんなどにとっては恐怖の幅だそうです。そうでなくても、運転席からは高速チケットを受け取ったりなんて 間違ってもできないほど離れています。 身長175cmの僕が横に寝られるんだから無理もないです。

真ん中にはエンジンフードがせりだしています。V8です。つまりV8の直角バンクが運転席と助手席の間にスッポリ入るほど離れているという訳です。写 真ではエンジンフードのせいで助手席の足元スペースが狭く見えますが、実際にはこの状態で足を延ばせるほどです。

運転席と助手席の間は人がギリギリ通れるぐらいのクリアランスがあります。アメリカ車で「バン」と言う場合、このウォークスルー性が最も大事な要素になります。ウォークスルーできないクルマは、間違ってもバンとかミニバンとか言っちゃいけないのです。

それでもこの時代のエコノライン(このコーチメンバンキャンパーのベース車)は、シートとシートの間が狭くできています。(最近のエコノラインはもっと広い)
ドアとシートの間もかなり隙間があります。よく「窓を開けて肘をかけて運転する」なんていう構図がありますがこのクルマでは肘が窓まで届かないのでそんなことできません。そのかわり、デッカイアームレストが、ドア側にも付いています。

 

スイッチがいっぱい

 

無造作に並んでいるこのスイッチやパネル類は、コーチビルダー(このクルマならコーチメンインダストリー)が後から付けたキャンピング用のスイッチ群です。キャンピングカーには多かれ少なかれ付いてるものばかりです。左上のスイッチは、6つほどある室内灯の元スイッチです。クルマを使わない時などは切っておきます。その隣の同じ様なスイッチは、いわゆる外灯のスイッチ。夜間に乗り降りするときに使います。そのとなりの大きなパネルはキャンピング装備の集中モニターです。北米製のキャンピングカーには必ずと言っていいほど付いています。 これの説明は下の方で詳しく。

左下に行って、金色に光っているのは、12VシガーソケットとTVアンテナソケットです。下の真ん中の黒いスイッチのようなものは、LPガスで暖める温水ボイラーのスイッチです。コーチ君にはシャワーがないのでほとんど使いません。右端にちらっと映っている黒い影は、カーステレオのスピーカです。4スピーカになっていますが音質は全然良くありません。でも元々クルマの中で音楽を聴かない質なので、十分です。


で、先ほどの集中モニタ。
上にLEDグラフが5つありますが、左端から、ブラックタンク容量、グレータンク容量、清水タンク残量、LPガス残量、 サブバッテリ残量になっています。このモニタは常時消灯していて、下の左側のスイッチを押している時だけモニタリングできるようになっています。右のスイッチは、清水タンクからギャレーの蛇口に水を送るポンプのスイッチです。使うときだけONにして、蛇口を捻れば水が出ます。

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